インターナル タレント マーケットプレース(内部人材市場:ITM) 従業員は自ら“成長の道”を選択しろ“     

インターナル タレントマーケットプレース(ITM)とは

インターナル タレントマーケットプレース(ITM)とは、従業員が希望する仕事と、担当幹部社員が必要とする職位(ポジション)をシステム上で合致させる仕組みです。それは、ソーシャルネットワークサービス(SNS)の求人機能(例:LinkedIn)のようなものです。

ITMは、社内移動(インターナルモビリティ)過程をシステム化し、従業員と担当幹部社員に「どのチームで働くのか?」、「どのような仕事をするのか?」の決定権をある程度移譲します。これにより、従業員の満足度(ES)と愛社精神(エンゲージメント)が高まります。一方で、魅力的な職位を提示できない会社は、離職率を高めてしまうことになります。

従業員は、自らの「成長の道」を選択できるようになります。そして、経営者は、従業員の希望と「業務目標」、「変化への対応(アジリティ)」、「既存業務継続性」とのバランスを取る必要に迫られます。

ITMの3つ利点

ITMの活用は、多くの企業で有効です。特に、大企業は、以下の3つの点で大きな効果を得ることができます。

  • 人事配置の最適化 人事部門では、すべての職務を把握し、割り当てることは不可能です。ITMは、システム上に「従業員の能力」や「担当幹部社員の求人」の情報を提供します。これにより、より多くの最適な人員配置を生み出します。
  • 従業員への機会提供 ITMの提供する上記の情報は、従業員により多くの選択肢を提供します。また、人事異動(インターナルモビリティ)が活性化することにより、担当幹部社員は従業員と「彼らの成長の道」について頻繁に会話するようになります。そうしなければ、従業員はITMを利用して異動してしまいます。さらに、外部のシステムを利用して転職することも起こりえます。
  • 情報の共有 人事異動(インターナルモビリティ)の活性化は、担当幹部社員が抱え込んでいた従業員の知識・情報を解放します。どんなに優秀なCEOでも現場にいる従業員より多くの知識・情報を持っていることはなく、また、それを社内に提供することも不可能です。変化の激しい現代において、現場で得られる情報・知識の流動性を高め、活用することは重要です。

良いITMとは

ITMは、従業員と担当幹部社員の動機と会社精神を高めます。より良いITMを構築するためには、以下の6点が重要です。

  • 良いプラットフォームの選択 以下の既存プラットフォームを活用するのが良いでしょう。
    • フェーエル50
    • グロート
    • ヒッチ etc.
  • キャリアコーチングプログラム 従業員に対して、「履歴書」や「成長目標」の作成を支援するためのコーチングプログラムを用意します。正しい情報のインプットがITMを良くします。
  • 人事異動で成長する企業文化 自分のチームのために人材を囲い込むのではなく、チームは従業員が経験を積み、次のキャリアのための土台であるという文化を作り上げます。
  • ITMデータの活用 ITMに蓄積される企業と従業員の方向性のギャップデータを有効活用します。このデータを活用して、会社の目的と従業員の目的を合致させる社内コミュニケーション計画を構築します。
  • 従業員の行動を促進し、報酬を与える ITMを利用して、従業員を会社にとってより重要な業務に向かわせ、その業務を成功させたことによる昇進などの報酬を明確にします。
  • 人事部門によるコントロール 人事部門による最適配置と従業員の動機と報酬のバランスコントロールが重要です。そうしないと従業員の満足度は高まるが、会社の目標との軋轢を生むことになります。

昔、会社は大家族でした。その家族は崩壊しました。従業員は、会社から独立して自ら「成長の道」を選択する時代となりました。そして、企業も従業員に「成長の道」を提示できなければ見捨てられることでしょう。

中島みゆきの歌詞 “おまえが消えて喜ぶ者に おまけのオールをまかせるな”