人生100年の安心のために
ファイナンシャルウェルネスとは、将来に至るまでお金に関する不安を抱えることなく、生活を心から楽しめる安心感を持つ状態を指します。この概念は、単に収入や給料の多寡だけに依存するものではなく、中長期的な経済的安定と、それによって得られる心の平穏を重視しています。2015年には、アメリカの消費者金融保護局(CFPB)が、ファイナンシャルウェルネスを測定するための基準やフレームワークを提案したことを契機に、この考え方が広く注目されるようになりました。
人生100年時代においては、自律的なキャリア形成と並び、ファイナンシャルウェルネスがますます重要性を増しています。ファイナンシャルウェルネスを実現するためには、スマートバジェットやスマートスペンディング、そしてそれを支える金融教育が欠かせません。スマートバジェットとは、人生の目的に関連し、測定可能かつ達成可能で、明確な時期が設定された具体的な計画を指します。一方、スマートスペンディングは、スマートバジェットで定めた目標を中長期的に達成するための計画的な消費活動です。そのため、金融リテラシーを向上させるための生涯学習としての金融教育が非常に重要です。
日本人の金融リテラシーは国際的に低いと指摘されていますが、昭和時代には日本独自の貯蓄文化が存在していました。当時の子供たちは、ピンクブタの貯金箱などを通じて貯金を学びました。この貯蓄文化は、産業界に銀行を介して資本を供給し、高度経済成長を支える基盤となりました。しかし、現代日本では金融広報中央委員会の令和4年の世論調査によると、貯金ゼロ世帯が増加しています。二人以上の世帯では24.7%、単身世帯では36%に上る状況です。
人生100年時代の安心を実現するために、今こそファイナンシャルウェルネスの重要性を見直し、行動を起こす時です。
