忘れられた半分の声に耳を傾けろ
社会正義のキャリア支援とは、自律的なキャリア形成が求められる現代において、社会的問題によってその機会が阻害されている人々を支援し、社会にも働きかけて状況を改善する取り組みを指します。従来、キャリアコンサルタントの支援対象の中心は中流階級の人々であり、彼らの内省を通じた自己概念の成長を基盤とする自律的なキャリア形成が目指されてきました。しかし、現在の社会には、内省による自己概念の成長だけでは対応しきれないキャリア上の課題が存在します。
例えば、これには貧困や格差といった問題が含まれます。こうした状況を背景に、デビッド・ブルースティンは、これらの問題に直面している人々の声を“忘れられた半分の声”と表現しました。今こそ、この“忘れられた半分の声”に耳を傾ける必要があります。
具体的には、アドボカシー(政府、自治体、企業への提言など)を推進すると同時に、社会的弱者へのカウンセリングやエンパワメントを行うことが重要です。つまり、社会的弱者が選択肢を広げ、多様なキャリアを選べる状況をつくることが目指されています。そのためには、企業や政府によるリスキリング支援やキャリア支援の提供、さらにはメンタルヘルス支援の統合などが必要です。
