世の中、白と黒だけはない。対立思考の向こう側へ
弁証法的行動療法(DBT)とは、分断や対立を統合し、新たな高次を目指す「弁証法」を基盤とした認知行動療法です。アメリカの心理学者マーシャ・リネハンによって開発され、特に境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療に有効とされています。
境界性パーソナリティ障害(BPD)の患者は、感情の激しい揺れや極端な行動をコントロールすることが困難で、それに伴う対人関係の問題に悩むことが多いです。弁証法的行動療法は、科学的根拠に基づいた解決策を提供します。また、この療法は境界性パーソナリティ障害に限らず、摂食障害、薬物依存症、自殺念慮や自傷行為、気分障害、PTSD、怒りの管理などにも効果があるとされています。
弁証法的行動療法では、個別療法とグループ療法を併用して進めます。まず、患者の具体的な問題に向き合い、ありのままの自分を受け入れることを支援します。この際、弁証法の基盤である柔軟な思考と多様性の尊重が重要となります。一つの視点に固執せず、自分の中にある矛盾も含めて多様な視点を受け入れる姿勢が求められます。
次に、グループセッションでは、マインドフルネス、苦痛耐性、感情調整、対人関係のスキルを習得します。そして、これらのスキルを日常生活で活用できるようサポートを行います。この療法の目指すところは、二項対立的な思考を脱却し、自己と変化を受け入れ、高次の自己実現を達成することです。
