老年期の幸福感や人生の満足感とは
老年的超越理論(Gerotranscendence)とは、高齢期の心理的および社会的成熟を説明する概念です。この理論は、1989年にスウェーデンの社会学者ラルス・トルンスタムによって提唱されました。従来の理論が社会的役割の離脱や維持を中心に論じられたのに対し、老年的超越理論は、自己意識と社会との関連性に焦点を当てています。
人は老齢期に成熟することで、時間と空間の概念から解放され、過去・現在・未来、そして宇宙を一体化して感じられるようになります。この結果、自分を過去の世代から未来の世代へと続く流れの一部と捉え、死への恐怖を克服することができるとされています。この老齢期に現れる意識の変化は「宇宙的意識」や「超越的世界観」と呼ばれます。
さらに、この理論は東洋思想や禅の影響を受けており、日本人がこの境地に至りやすいと言われています。この境地は、高齢期をよりポジティブに捉え、幸福感や人生満足度の向上に大きく寄与します。
