ワッツのキャリアガイダンス論

社会全体の変革を目指す

ワッツのキャリアガイダンス論とは、1970年代にトニー・ワッツによって提唱されたキャリア理論であり、個人や組織の課題に加え、社会全体の構造的な問題に踏み込んだ内容となっています。提唱当初は注目されることはありませんでしたが、現代において、キャリアが社会的課題として重要視される中で、再評価されています。

ワッツは、キャリアガイダンスを「変化―現状」と「個人―社会」という二軸で分類し、社会統制型、非指示型、個人的変化型、社会変革型の4象限を示しました。特に、組織内でキャリアが完結しなくなった現代においては、社会変革型に焦点を当てています。

キャリアの課題は、個人支援だけで解決するものではなく、社会全体における公平性や正義の実現が欠かせない要素となっています。そのため、現代におけるキャリアコンサルティングは、個人の成長や組織への適応だけを目的とするのではなく、AI時代におけるキャリア適応、氷河期世代や高齢者問題、さらには多文化・多様性と包摂への対応など、幅広い視点で取り組む必要があります。