年金が自動的に毎年0.3%以上減り続ける政策
マクロ経済スライドとは、年金受給者の生活レベルを維持するために、物価や賃金の上昇にあわせて増加する年金支給額の伸びを抑制する政策です。この制度の目的は、年金制度の持続可能性を確保することとされています。
具体的には、
- 新規年金受給者は、賃金上昇率からスライド調整率を差し引いた割合で年金額が決定されます。
- 既存年金受給者は、物価上昇率からスライド調整率を差し引いた割合で年金額が調整されます。
そのため、物価や賃金が上昇すればするほど、実質的な年金の購買力が低下する可能性があります。
スライド調整率は以下の要素に基づいて算出されます:
- 被保険者数の減少率(3年平均)
- 平均余命の伸び(0.3%)
さらに、この制度には「キャリーオーバー制度」が導入されています。これは、年金額の削減分が翌年度に繰り越される仕組みであり、結果として若い世代ほど年金受給額が減少する可能性があります。
マクロ経済スライドは年金財政を改善し、持続可能にするための政策であり、目的を達成すれば終了すべきものとされています。現在のところ、
- 厚生年金は2025年に終了する可能性
- 基礎年金は2047年に終了する見込み
とされています。
なお、2023年度の年金財政は以下の通りです:
- 年金積立金:304兆円
- 運用益:53.6兆円
- 年金支出:54.5兆円
- 赤字額:0.1兆円
今後の課題
マクロ経済スライドの終了条件としては、以下の要素が挙げられます:
- 所得代替率の下限到達
- 被保険者数の安定
- 経済成長と賃金上昇
- 年金財政の長期的安定
さて、国民の負担と我慢は、いつまで続くのでしょうか?
