米国貿易赤字の原因
基軸通貨とは、国際的な貿易や資本移動の際に広く使用される通貨のことを指します。歴史的に見ると、17~19世紀はスペイン・ペソ、19~20世紀はスターリング・ポンド、そして20世紀から現在にかけては米ドル(USドル)が基軸通貨としての役割を担っています。
世界の石油取引のほとんどは米ドル建てで行われており、貿易の決済にも広く利用されています。例えば、日本の場合、2022年前期における対米輸出の84.9%が米ドル建てで取引されました。
また、多くの中央銀行は外貨準備として米ドルを保有し、米国債で運用しています。さらに、多国籍企業のサプライチェーン体制も米ドルを基盤として構築されており、国際貿易の中心的な役割を果たしています。
米ドルが基軸通貨であることは、米国が覇権国家である証といえます。しかし、その影響で米国の貿易赤字が拡大する傾向があります。つまり、米ドルの価値が高いため、米国の輸出品は価格競争力を失いやすくなります。一方で、強い米ドルは米国の購買力を高め、輸入品の消費拡大を促進します。
ただし、米ドルが基軸通貨である限り、貿易赤字は金融収支の流入によって均衡が保たれるため、経済の安定が維持されやすいのです。
消費大国・米国は今、黄金時代なのかもしれません。
しかし、他国も急速に経済規模を拡大しており、その差は縮まりつつあります。2023年の輸入額を見ると、米国は3兆1682億ドル、中国は2兆5564億ドル、ドイツは1兆4767億ドル、日本は7858億ドルで第7位でした。
