人間は関係性の中で役割を演じながら生きている。
モレノのサイコドラマとは、自らの問題を即興劇として演じることで、心理的な課題を客観視し、自己理解を深める集団心理療法です。クライアントは、自身の問題を劇として表現し、参加者がサポートします。参加者の中には補助自我の役割を担う人がおり、クライアントが言葉にできない感情を代弁したり、過去の対人関係や経験を再現したりすることで、感情を表現しやすくなるよう支援します。
この補助自我の役割は非常に重要であり、演じることによって問題や課題が客体化され、クライアント自身が内省を深めることが可能になります。その後、役割交代を行い、自分以外の人物を演じることで、さらに自己認識が成長・強化されていきます。
この手法は心理療法にとどまらず、教育現場や企業研修にも応用できるものと考えられます。ただし、クライアントが自身の問題を演じる際に生じる心理的負担には十分な配慮が必要です。
