GROUND NEWS より
アルテミスII、アポロ13の最遠記録を56年ぶり更新 月周回へ試験飛行順調
米航空宇宙局(NASA)は6日、有人月周回ミッション「アルテミスII」の乗組員4人が、1970年のアポロ13が保持していた地球からの最遠到達距離(約24万8,655マイル)を突破したと発表した。 今回の飛行は、地球と月の重力を利用する「8の字軌道(フリーリターン)」を採用し、月の裏側を回り込む形で進行している。
宇宙船オリオンは約25万2,760マイルに到達し、乗組員は月面から約4,070マイルまで接近しながら7時間の観測活動を実施する計画だ。 飛行中、乗組員はアポロ13司令官だった故ジム・ラヴェル氏の録音メッセージ「私の古い“近所”へようこそ」で目を覚ましたという。
今回の成果は、2028年に予定されるアルテミスIIIの月面着陸に向けたオリオンのシステム検証として重要な節目となる。 試験飛行は10日、米サンディエゴ沖への着水で完了する見通しだ。
🛰️ NASA「アルテミスII」
有人月探査計画「アルテミス」計画が、実証段階から実行段階へと確実に歩を進めている。
米航空宇宙局(NASA)が進めるアルテミス計画は、半世紀ぶりの有人月面着陸を目指す国家プロジェクトだ。その中核となる試験飛行「アルテミスII」は、4人の宇宙飛行士を乗せ、月周回へ向かう軌道を飛行している。今回、宇宙船オリオンが地球から約25万2,760マイルに到達し、アポロ13が1970年に樹立した最遠到達距離を56年ぶりに更新したことは象徴的な節目といえる。
アルテミスIIは、地球と月の重力を利用するフリーリターン軌道を採用し、月の裏側を回り込む。これはアポロ13が危機回避のために選択した軌道を、今回は計画的に活用するもので、安全性と航法技術の進化を示す。飛行中、乗組員は月面から約4,070マイルまで接近し、観測データを収集。将来の月面活動に向けたリアルタイム解析も進めている。
今回の成果は、2028年に予定されるアルテミスIIIの有人月面着陸に向け、オリオン宇宙船と関連システムの信頼性を確認するうえで欠かせない。月周回軌道での通信、熱制御、推進系の挙動など、有人飛行ならではのデータが蓄積されることで、計画全体のリスク低減につながる。
アルテミス計画は、米国単独ではなく、カナダや欧州、日本を含む国際協力で進む。月周回拠点「ゲートウェイ」の建設や、月面での持続的活動を見据えた技術開発は、宇宙をめぐる国際秩序の再構築にも影響を与える。 今回の記録更新は、その長期構想に向けた確かな一歩といえる。
Artemis II astronauts break Apollo 13 record for traveling farthest from Earth
