バイナンス、63億ドル流出被害の9割補填 日曜に出金再開

GROUN NEWS より

暗号資産(仮想通貨)交換所大手のバイナンスは10月31日、大規模なハッキング被害で流出した約63億ドル(約9,500億円)相当の資産について、約90%の補填を完了したと発表した。

共同最高経営責任者(Co-CEO)のリチャード・テン氏は、今回の不正流出について「高度で複雑な攻撃だった」と説明した。ブロックチェーン分析会社TRM Labsは、攻撃手法に北朝鮮関連とされる過去の仮想通貨流出事件との共通点がみられると指摘している。

バイナンスは利用者保護基金「Secure Asset Fund for Users(SAFU)」から最大10億ドルを活用し、流出資産の補填を進めた。未補填の約10%については流動性の低いトークンが中心で、市場からの調達に時間を要するとしている。

同社は11月1日に出金サービスを再開する方針を維持しており、流出した資産による利用者への損失は全額補償する考えを改めて示した。

対象となるBTC(ビットコイン)、ETH(イーサリアム)、SOL(ソラナ)など10銘柄については、10月31日時点の保有状況を基準とした資産確認作業を完了した。利用者は、各資産が少なくとも1対1の比率で裏付けられていることを確認できる見通しだ。

バイナンス(Binance)

世界最大級の暗号資産交換所、取引高で業界首位

バイナンスは2017年に創業した暗号資産(仮想通貨)交換所。現物取引やデリバティブ取引、ステーキング、資産運用サービスなどを幅広く手掛け、世界最大級の取引プラットフォームとして知られる。

創業者は趙長鵬(CZ)氏。急成長を遂げた一方で、各国当局からマネーロンダリング対策やコンプライアンス体制を巡る指摘を受けてきた。近年は規制対応を強化し、金融ライセンスの取得や内部管理体制の整備を進めている。

同社が発行する独自トークン「BNB」は時価総額上位の暗号資産の一つ。取引手数料の支払いやブロックチェーン基盤「BNB Chain」で活用されている。

2023年には米当局との和解に伴い創業者の趙氏が経営の一線を退き、リチャード・テン共同CEOが経営を主導する体制へ移行した。暗号資産市場の拡大と機関投資家の参入が進むなか、業界のインフラ企業としての役割が一段と高まっている。

企業データ

  • 会社名:Binance Holdings
  • 設立:2017年
  • 本社:グローバル展開(特定の本社機能を分散運営)
  • 主な事業:暗号資産交換所、デリバティブ取引、資産管理サービス
  • 主力サービス:Binance Exchange、BNB Chain、Binance Earn
  • 独自トークン:BNB

趙長鵬(Changpeng Zhao、CZ)

暗号資産業界を代表する起業家 バイナンス創業者

趙長鵬(チャオ・チャンポン)氏は、世界最大級の暗号資産(仮想通貨)交換所バイナンスの創業者。業界では「CZ」の愛称で知られ、暗号資産市場の成長を象徴する経営者の一人とされる。

中国生まれ。幼少期に家族とともにカナダへ移住した。金融情報システムや証券取引システムの開発に携わった後、2017年にバイナンスを創業。スマートフォンを通じた24時間取引や豊富な銘柄数を強みに急成長を遂げ、創業から数年で世界最大級の交換所へと育て上げた。

暗号資産市場の拡大局面では業界の有力発言者として影響力を高めた一方、各国当局からマネーロンダリング対策や法令順守体制の不備を指摘された。2023年には米国当局との和解に伴い最高経営責任者(CEO)を退任し、経営の第一線から退いた。

現在も暗号資産業界で高い知名度を持ち、ビットコインやブロックチェーン技術の普及を推進した起業家として評価される一方、急成長企業に求められるガバナンスや規制対応の重要性を示した人物としても注目されている。

プロフィル

  • 氏名:趙長鵬(Changpeng Zhao、CZ)
  • 生年:1977年
  • 出身:中国・江蘇省
  • 国籍:カナダ
  • 主な経歴:
    • 証券取引システム開発に従事
    • 暗号資産取引所OKCoinの技術責任者
    • 2017年 バイナンス創業
    • 2023年 バイナンスCEO退任