GROUND NEWS より
米トランプ政権は25日、中国の大連に拠点を置く恒力石化(Hengli Petrochemical)と、イラン産原油の輸送に関与した約40の海運企業・船舶を制裁対象に追加した。米財務省は、恒力が2023年以降にイラン産原油を処理し、イラン軍に数億ドル規模の資金を供給してきたと指摘する。
恒力の大連製油所は日量40万バレル規模の処理能力を持ち、中国はイラン産原油の8~9割を購入する最大の買い手となっている。今回の制裁により、対象企業は米金融システムから遮断される。
制裁発表は、トランプ大統領と習近平国家主席の中国での会談を数週間後に控える中で行われた。米国は今月、ホルムズ海峡で物理的な封鎖措置も開始しており、財務省は香港、UAE、オマーンの金融機関に対しても二次制裁の可能性を警告していた。
恒力石化(Hengli Petrochemical)とは
中国・大連を拠点とする民間系の大手石油化学メーカー。日量約40万バレル規模の製油能力を持ち、国内でも有数の大型コンプレックスを運営する。ポリエステル原料や化学繊維など川下製品まで一貫生産する垂直統合型の事業構造が特徴。
米財務省は、同社が2023年以降にイラン産原油を継続的に処理し、イラン軍に数億ドル規模の資金が流入したと指摘。2026年4月、米国は対イラン制裁の一環として同社と関連船舶約40隻を制裁対象に指定し、米金融システムからの遮断措置を発動した。中国はイラン産原油の8~9割を購入する最大の買い手であり、同社はその供給網の中核を担う存在とみられる。
米中首脳会談を数週間後に控えたタイミングでの制裁発表は、エネルギー安全保障と地政学リスクが交錯する象徴的な事例となっている。
