ICCがマリのアルカイダ系指導者の被害者に840万ドル賠償命令

GROUND NEWS より

国際刑事裁判所(ICC)は28日、マリ北部トンブクトゥを2012年に支配したイスラム武装勢力アンサル・ディーンで「イスラム警察」長を務め、2024年に戦争犯罪などで有罪となったアル・ハッサン受刑者の被害者に対し、総額840万ドル(約13億円)の賠償を命じた。

判決は、6万5,202人の被害者を対象に、地域社会単位でのリハビリ支援や象徴的措置を含む「集団的賠償」を認めた。プロスト裁判長は、被害者の社会経済的・心理的回復を目的としたプログラムに資金が充てられると説明した。

アル・ハッサン受刑者は資力がないと判断されたため、費用はICCの被害者信託基金が負担する。ただし同裁判長は、加盟国や民間からの追加的な資金拠出が不可欠と警告した。

マリやブルキナファソ、ニジェールでは近年、軍事政権がフランス軍を追放し、ロシア系民間軍事会社に治安支援を依存する構図が強まっており、武装勢力による反乱は10年以上続いている。

The International Criminal Court(国際刑事裁判所)

国際刑事裁判所(ICC)は、ジェノサイド(集団殺害)、戦争犯罪、人道に対する罪など、最も重大な国際犯罪を裁く常設の国際司法機関。2002年にローマ規程に基づき発足し、オランダ・ハーグに本部を置く。国家ではなく個人の刑事責任を問う点が特徴で、紛争地での指揮官や政治指導者を対象とする。

加盟国は120超に上るが、米国・中国・ロシアなど主要国は参加していない。捜査や訴追には加盟国の協力が不可欠で、逮捕状の執行や証拠収集に課題を抱える。一方で、被害者への賠償制度を備え、被害者信託基金を通じた救済措置も運用している。