GROUND NEWS より
外交圧力の一環、キューバは「法的根拠なし」と反発
米司法省は21日、キューバのラウル・カストロ前国家評議会議長を、1996年に発生した民間機撃墜事件をめぐり、殺人、米国民殺害の共謀、航空機破壊の罪で起訴したと発表した。事件は、同国空軍のMiG-29戦闘機が、反体制団体「ブラザーズ・トゥ・ザ・レスキュー」の小型機2機を国際水域上で撃墜し、4人が死亡したもの。
検察当局は、当時国防相だったカストロ氏が武力行使を承認したと主張し、長年にわたる米側の調査の集大成だとしている。
キューバのディアス=カネル大統領は、今回の起訴について「法的根拠がない」と強く反発。一方、米国のルビオ国務長官はスペイン語の動画で、キューバ国民に対し「自由市場を志向する指導者を求めるべきだ」と呼びかけた。
カストロ氏はキューバ国内に居住しており、米国への身柄引き渡しは実現しない可能性が高い。ただ、専門家の間では、今回の起訴が将来の外交交渉で米国が圧力をかけるための戦術的カードとなり得るとの見方が出ている。米国がベネズエラのマドゥロ前大統領に対して用いた手法と類似するとの指摘もある。
ラウル・カストロ氏 軍統制に長けた実務家、晩年に米司法の追及
■人物データ
- 氏名:ラウル・モドスト・カストロ・ルス
- 年齢:94歳(記事時点)
- 主な役職:
- キューバ国防相(1959〜2008年)
- 国家評議会議長(2008〜2018年)
- キューバ共産党第一書記(2011〜2021年)
- 特徴:
- 革命以来、軍と党の組織運営を担った実務派
- 兄フィデルのカリスマ性とは対照的に、統制・管理を重視する官僚型の指導者
- 経済改革では慎重姿勢を維持しつつ、限定的な市場開放を容認
