アフリカ、超エルニーニョで最大2兆〜3兆円規模の経済損失 アフリカ開発銀行が警鐘

GROUND NEWS より

アフリカ開発銀行(AfDB)は、発生が迫る「超(スーパー)エルニーニョ」により、アフリカ諸国で100億〜200億ドル(約1.6〜3.2兆円)の経済損失が生じる恐れがあると警鐘を鳴らした。気候部門トップのアンソニー・ニョン氏は、影響が大きい国ではGDPが1〜2%押し下げられる可能性があると指摘した。

同氏は、干ばつや洪水の深刻化により「大規模な移住が発生する」と述べ、主要作物であるトウモロコシの価格が倍増する見通しを示した。特にスーダン、ソマリア、ナイジェリアなど脆弱国で影響が顕著になるという。

アフリカ各国は、危機対応の資金を確保できない「気候資金の罠」に陥っており、必要資金は今年だけで1,000億ドルに達する。一方、国際的な公的適応資金は2023年時点で260億ドルにとどまるなど、資金ギャップが深刻化している。

AfDBは9月に投資影響を検証する全行的なセミナーを開催し、必要に応じて既存プロジェクトの再構築に応じる方針。各国と連携し、グリーン気候基金(GCF)からの支援獲得も進める。

ニョン氏は、災害前の備えの重要性を強調し、 「崖の周りに柵を築く方が、救急車を何台も出すより安上がりだ」 と述べた。気候レジリエンスの強化は、11月にトルコで開かれる国際気候会合でも主要議題となる見通しだ。

時事用語解説:スーパー・エルニーニョ(Super El Niño)

「スーパー・エルニーニョ」とは、太平洋赤道域の海面水温が平年より大幅に上昇し、世界各地の気候に極端な影響を及ぼす現象のうち、特に強度が高いエルニーニョを指す。通常のエルニーニョよりも降雨パターンの乱れや干ばつ・洪水の発生頻度が高まり、農業・インフラ・社会経済に深刻な影響をもたらす。