GROUND NEWS より
ブラジル連邦検察庁は11日、南部リオグランデ・ド・スル州で2024年に発生した大規模洪水をめぐり、英シェルの現地子会社を相手取り1億800万ドル(約160億円)の損害賠償を求める訴訟を提起したと発表した。今回の提訴は、気候災害に対し国家の検察が石油大手を直接訴える初の事例とされる。
同州では2024年4〜5月にかけて豪雨が続き、約200人が死亡、50万人が避難する甚大な被害が発生した。検察は、シェルが歴史的な温室効果ガス排出量の約2%を占めるとされる点を踏まえ、同社の排出が気候変動を通じて洪水被害の一因となったと主張している。
環境団体インスティトゥート・プレゼルヴァの弁護士タレス・ミオラ氏は、「主要な汚染企業は、気候変動を通じて引き起こす損失に対して責任を負うべきだ」と述べ、訴訟の正当性を強調した。
気候訴訟を専門とするサビン・センターのマリア・アントニア・ティグレ氏はAFPに対し、「国家の検察が気候災害で石油大手を訴えるのは初めてだ」と指摘する。
同様の訴訟は、ドイツ電力大手RWEやスイス建材大手ホルシムに対しても世界各地で進行している。一方、米国やニュージーランドでは法改正によりこうした訴訟が退けられるなど、各国で対応は分かれている。
