ホルムズ海峡でイラン、米国の停戦延長後に商船2隻を拿

GROUND NEWS より

イラン革命防衛隊は22日、ホルムズ海峡で商船3隻に発砲し拿捕した。米国が前日に停戦を無期限延長した直後の措置で、イラン港湾に対する米海軍の封鎖が続くなか、海上情勢は一段と緊迫している。

トランプ米大統領は、イラン側が「統一提案」を提示する時間を確保するため停戦延長を決めたが、イラン外相は封鎖継続を「停戦違反」と非難。革命防衛隊はMSCフランチェスカ号とエパミノンダス号を「規則違反」として拿捕したと主張する。一方、英海事保安機関UKMTOは、イラン側が無線警告を出さずに銃撃したとの船員証言を伝え、主張は食い違う。

ペルシャ湾内では約800隻の商船が立ち往生しており、国際海事機関(IMO)は乗組員の人道的避難回廊の設置を準備する。ドミンゲス事務局長は「商業航行の再開ではなく、船員の安全確保が目的」と強調した。

ロンドンでは22日、30カ国超の軍事担当者が会合を開き、海上交通の安全確保に向けた共同ミッションの検討を開始。石油価格は地政学リスクを背景に1バレル98ドルに迫り、市場の警戒感が強まっている。

国際海事機関(International Maritime Organization:IMO) は、海上輸送の安全確保、海洋汚染防止、温室効果ガス(GHG)削減など、海事分野の国際ルール作りを担う国連の専門機関。1958年に設立され、本部はロンドン。加盟国は176カ国にのぼる。

世界の海運は国境を越えて運航するため、各国が独自に規制を設けると混乱が生じる。IMOはこうした課題に対応し、船舶の構造基準、安全設備、排ガス規制、海上交通ルールなどを国際条約として整備してきた。代表的な条約には、海難事故を契機に策定されたSOLAS条約(海上人命安全条約)や、MARPOL条約(船舶汚染防止条約)がある。

また、近年は海賊対策、テロ対策、GHG削減戦略など、海事分野の新たなリスクにも対応。2023年には「2050年頃までにGHG排出ゼロ」を目標とする新戦略を採択し、国際海運の脱炭素化を主導している。

IMOの意思決定は、総会(2年に1回)と理事会(年2回)、および海上安全委員会や海洋環境保護委員会など5つの専門委員会で行われる。日本は設立当初からの理事国として、ルール形成に積極的に関与している。